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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


緑谷はダンス練習の合間、譜面を整理しながら、発声練習をするおもちの姿をちらりと見た。

彼女は耳郎の説明を真剣に聞き、何度も声を出していた。

うまくできれば、嬉しそうに笑う。

うまくいかなければ、少し首を傾げて、もう一度挑戦する。
その姿は、普段の彼女とは少し違って見えた。


公安の人間として、常に周囲を警戒している彼女。
どこか達観していて、何を考えているのか簡単にはわからない彼女。

そんな印象が、少しずつ変わっていく。

「……そっか」

緑谷は、ふと手を止めた。


彼女は二十一歳なのだ。
自分たちより五つ年上。
成人していて、社会人として働いていて、自分たちがまだ知らない世界を知っている。

それなのに、今は自分たちと同じ寮で生活し、同じ制服を着て、同じように文化祭の準備をしている。

「……あれ?」

緑谷は、急に妙なことに気づいてしまった。


同じ寮。
同じ生活空間。
朝になれば顔を合わせ、食堂で一緒に食事をし、放課後はこうして一緒に練習をする。
しかも、彼女は大人の女性なのだ。

普段は落ち着いていて、柔らかく微笑むことが多い。

けれど、時折見せる無防備な表情や、何かに夢中になっているときの横顔は、どうしようもなく目を引く。


「……いや、待って」


緑谷の頬が、じわじわと熱くなった。
今までだって、彼女のことを綺麗だと思ったことは何度もある。


あの屋上で、初めて彼女の本当の気持ちに触れたとき。
泣きながら、それでも自分たちに笑いかけてくれたとき。
あのときから、彼女をもっと知りたいと思う気持ちは強くなっていた。

けれど、今は違う。

彼女の大人びた魅力と、同年代の少女のように楽しそうな表情。

その両方を知ってしまったせいで、意識しないようにしても、自然と目が向いてしまう。



――これって、大丈夫なのかな。
緑谷は慌てて視線を戻した。

――いや、別に、大丈夫って何が!?
自分で自分に突っ込みを入れる。
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