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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


緑谷も、はっきりと思い出していた。

林間合宿へ向かうバスの中。

クラスメイトたちが思い思いに歌い、騒いでいた時間。
その中で、おもちがマイクを手に取ったとき、最初は誰もが軽い気持ちで聴いていた。
けれど、彼女の歌声が響いた途端、車内の空気が変わった。

伸びやかで、柔らかく、それでいて芯のある声。

大人びた彼女の雰囲気によく似合う、どこか人の心を惹きつける歌声だった。

歌い終えたあとも、しばらく誰も声を出せなかったほどに。

「……あれは、本当にすごかったよね」

緑谷が感慨深げに呟く。

その隣で、切島も大きく頷いた。

「おう!あの歌声なら、ステージでも絶対に映えるぜ!」

「しかも耳郎とおもちの二人だろ?」

上鳴が二人を交互に見た。

「組み合わせとして最高じゃねぇか!」

「確かに……!」

緑谷の目が輝いた。

「耳郎さんの音楽的なセンスと、おもちさんの歌声が合わさったら、すごく魅力的なステージになると思う!」

「おいおい、待て待て!」

切島が興奮したように声を上げる。

「それって、もしかして最強の組み合わせなんじゃねぇか!?」

「最強どころか無敵だろ!!」

上鳴が即座に叫んだ。

「ボーカルが耳郎とおもちなら、絶対にすげぇライブになるって!!」

「うんうん!見たい、聴きたい!」

芦戸もすっかり乗り気だった。
次々と賛同の声が上がり、いつの間にか、二人がボーカルを務めることが当然のような空気になっていく。


一方、当のおもちはというと。

「……あの、皆さん?」

困惑したように周囲を見回していた。

「私は、歌うなんて一言も……」

「お願い!」

耳郎が、もう一度彼女の手をぎゅっと握った。
その瞳は真剣だった。


「おもちと一緒に歌いたいんだ。あのときの歌声を聴いてから、ずっと思ってた。いつか、ちゃんと一緒に音楽をやってみたいって」


「耳郎さん……」


「もちろん、無理にとは言わない。でも、もしよかったら……一緒にやってくれない?」


先ほどまでの勢いとは違う、少し恥ずかしそうな声だった。
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