第3章 USJ襲撃事件編
彼女はくすくすと笑う。
「そんなに聞きたい?」
「聞きたい!」
「めちゃくちゃ聞きたい!」
「名前は!?」
「秘密」
「えーーー!」
「どんな人!?」
「うーん……」
彼女は少し考える。
「不器用だけど、真っ直ぐな人かな」
「えっ、なにそれ!」
「めっちゃ意味深!」
「年上? 年下?」
「どっちかな~?」
「学校の人!?」
「どうだろう」
「もう!」
芦戸がテーブルを叩いて笑う。
「彼女、絶対何か隠してる!」
「ふふ」
彼女は答えない。
ただ、口元に浮かべた笑みだけが、いつもより少し柔らかかった。
「じゃあ、どんなところが好きなの?」
麗日が今度は興味津々で聞く。
彼女は少しだけ視線を落とした。
「……自分の大切なもののためなら、どれだけ不器用でも必死になれるところ」
「……」
女子たちが一瞬静かになる。
「なんか……」
耳郎が呟く。
「本当に好きなんだね」
彼女は答えず、コーヒーを一口飲んだ。
「……そうかもね」
その返事に。
「きゃーーー!」
「絶対好きじゃん!」
「詳しく聞かせて!」
女子会は再び大騒ぎになった。
「待って待って、今度は私の番!」
芦戸が、にやっと笑った。
「おもちはさ、轟と爆豪だったら、どっちが好み?」
「え?」
彼女が瞬きをする。
「どっちが好き?」
「ちょっと!」
麗日が慌てる。
「そういうの、いきなり聞く!?」
「だって気になるじゃん!」
耳郎も興味津々で彼女を見る。
「二人とも、彼女のこと気にしてる感じあるし」
「……」
彼女は困ったように笑った。
「そういう目で見たことはないんだけどな」
「じゃあ、純粋に好みで!」
「うーん……」
彼女は頬杖をつき、少し考える。
「それぞれの良さがあるし……」
「おっ!」
女子たちが一斉に身を乗り出した。