第15章 死穢八齋會
もう、見ているだけではいられない。
あいつが何を抱えていようと。
どれほど秘密があろうと。
いつか、自分のところへ来てもらう。
無理に踏み込むつもりはない。
彼女の意思を無視するつもりもない。
ただ、あいつが一人で抱え込もうとした時には、何度でも手を伸ばす。
今度こそ、躊躇しない。
「……覚悟しとけよ」
誰にも聞こえないほどの小さな声で、爆豪は呟いた。
彼女は、まだ気づいていない。
自分が今、一人の少年の心を奪ってしまったのかを。
そして、緑谷もまた。
彼女の笑顔を見つめながら、胸の奥に生まれた温かな感情を、まだうまく言葉にできずにいた。
夕暮れの屋上。
秘密を知った二人と、初めて本音を見せた一人。
その日、彼らの関係は、確かに変わり始めていた。