第11章 入れ寮 ハイツアライアンス
「ええええっ!?何あれ!?」
一斉に視線が集まる。
そこには、黄金の龍がいた。
全長は彼女の身長ほど。金色の鱗を輝かせながら、気持ちよさそうにシャワーを浴びている。
『……む?』
龍は声のした方へ顔を向けた。
金色の瞳と、女子たちの目が合う。
数秒間、沈黙が流れた。
そして。
「か、かわいいいいいいっ!!」
最初に叫んだのは芦戸だった。
「ちょっと待って!本物!?本物の龍!?」
麗日も目を輝かせ、思わず一歩近づく。
「わあ……!金色で、すごくきれい……!」
「えっ、でも、こんなに小さくできるんだ!?」
葉隠の声が弾む。
「ねえねえ、触ってもいいの!?」
「待って、待って!いきなり触ったら失礼じゃない!?」
耳郎が慌てて制止するものの、本人も龍から目が離せない様子だった。
彼女たちがこれを知らないわけではない。
オールマイトとオール・フォー・ワンの戦闘。その中継映像に映し出された、おもちの身体から現れた巨大な黄金の龍。
その圧倒的な姿は、戦場にいた者だけでなく、映像を通して見ていた人々にも強烈な印象を残していた。
そして、龍こそが彼女の個性の本質だったことも、すでに広く知られている。
けれど、実際にこうして目の前で見るのは初めてだった。
映像の中では恐ろしいほどの威圧感を放っていた存在が、今は身長ほどの大きさになり、女子風呂でシャワーを浴びている。
その落差が、どうにも信じられなかった。
「……みんな、そんなに珍しい?」
おもちが苦笑すると、芦戸は勢いよく頷いた。
「珍しいに決まってるじゃん!だって、あのときの龍だよ!?あんなに大きくて、めちゃくちゃ強そうだったのに!」
「それが今はこんなにかわいいんだもん!」
麗日も興奮気味に続けた。
「ねえ、名前はあるの?」
「名前?」
彼女は隣の龍を見た。
『我に名など必要ない』
龍が堂々と言い放つ。
その声が頭の中だけでなく、浴場にも響いたため、女子たちは一斉に目を丸くした。
「しゃ、しゃべった!?」
「えっ、今、声が聞こえたよね!?」
「うん!すっごく威厳のある声だった!」
『当然だ。我は――』
「はいはい。自己紹介は後でね」
彼女がさらりと遮った。