• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第10章 神野区の悪夢編


黄金の光が戦場を照らす中、倒れていたオールマイトが、かすかに身じろぎした。


「……待て……」


血に濡れた手が、瓦礫をつかむ。
誰もが息を呑む中、オールマイトは震える身体を無理やり起こした。痩せ細った肉体は限界を迎え、立ち上がることさえ困難なはずだった。それでも彼は、ゆっくりと立ち上がった。

そして、おもちとオール・フォー・ワンの間に立ちはだかった。

「オールマイト……!」

彼女の瞳が揺れる。

「下がっていろ、おもち」

その声はかすれていた。呼吸も乱れ、今にも膝をつきそうなほどに消耗している。それでも、彼は彼女を背にかばい、宿敵を真っ直ぐに見据えた。

「彼女は……私の生徒だ」

オールマイトの拳が、ぎゅっと握られる。


「……っ」


彼女の喉が詰まった。
その言葉が、胸の奥に深く突き刺さる。

「この子を守るのは、私の役目だ」

オールマイトは一歩、前へ出た。

「君に彼女を傷つけさせるわけにはいかない。どれほど私が傷つこうとも、どれほどこの身体が限界を迎えようとも……それだけは、譲れない!」


声を張り上げた瞬間、彼の身体が大きく揺れた。

それでも彼は倒れなかった。


かつて平和の象徴と呼ばれた男が、残されたわずかな力を振り絞り、再び立ち上がっていた。
それは、ヒーローとしての意地だけではない。

目の前の者を守りたいという、一人の人間としての願いだった。


おもちは、彼の背中を見つめた。
もう十分だった。


自分のために、これ以上傷ついてほしくない。
大切な人が命を削って戦う姿を、ただ見ているだけの自分には戻りたくなかった。


「……オールマイト」


彼女は小さく呼びかける。


「ありがとう」

/ 603ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp