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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第8章 夏休み


彼女は、また夢を見ていた。


静寂に包まれた空間。その中央で、黄金に輝く龍が身体を丸め、穏やかな寝息を立てるように静かに眠っていた。

夢の中だというのに、妙に現実味がある。

鱗の一枚一枚に宿る光も、ゆったりと上下する巨体も、手を伸ばせば触れられそうなほど鮮明だった。


おもちは、恐る恐る龍へと手を伸ばす。


「……あなた、誰なの?」


返答はない。
龍は目を閉じたまま、微動だにしなかった。

「私ね、今、個性が使えないの」

ぽつり、ぽつりと言葉をこぼす。

「今まで、こんなことなかったのに……。どうしてなのか、全然わからない」

答えが返ってこないことなど、初めからわかっていた。
これはただの独り言だ。
それでも、彼女は話し続けた。

以前、この夢を見たとき、龍は確かに目を覚ましていた。そして、彼女に何かを伝えようとしていた気がする。

けれど、今は違う。
龍は眠っている。

まるで、何かを待っているかのように。

「……もしかして」

ふと、ひとつの考えが脳裏をよぎった。
個性が使えなくなったこと。そして、夢の中で龍が眠っていること。

偶然にしては、タイミングが重なりすぎている。

もし、この龍が自分の個性そのもの、あるいはその根源に関わる存在なのだとしたら。
「私とあなたは……リンクしているの?」


問いかけながら、彼女は思考を巡らせる。
龍が目覚めていたとき、自分の身に何が起きていたのか。反対に、今、龍が眠っているのはなぜなのか。

ひとつひとつの出来事をつなぎ合わせる。
そして、彼女はある答えにたどり着いた。

「……そういうこと?」

胸の奥で、何かがかすかに揺れた。
もし、自分の考えが正しいのなら。

今まで必死に探し続けていた真実は、遠い過去にも、誰かの記録の中にもない。

もしかしたら――
「私が知りたい真実は……」


彼女は、目の前で眠る黄金の龍を見つめた。


「今、ここにあるんじゃないの?」


静寂が落ちる。
彼女はもう一度、龍へと手を伸ばした。

今度は、先ほどよりも確かな意志を込めて。

「ねえ。あなたは一体、何なの?」
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