第3章 大人になったら…【新八】
全く手掛かりのない所から始まった犯人探し。
万事屋の顔の広さには、驚いた。
おかげで少しずつ情報が集まってきた。
やっぱり私一人じゃ無理だった。
依頼して本当に良かった!
「さん?どうかしました?」
「あ、新八さん。あの、やっぱり万事屋さんにお願いして本当に良かったなって。」
「えぇ!急にどうしたんですか?」
「私一人じゃ、本当に無力だから…」
「そんなことないですよ!それに、さんみたいに僕らを頼ってくれる人がいないと、僕たち仕事なくなっちゃいますから…ははは。」
私を気遣うように新八さんが笑ってくれた。
優しい人…だな…。
数日後、決定的な情報が入った。
何でも、吉原で天人が新たに呉服屋を始めたらしい。
そのお店で最も高い値段で売られている着物が、母の形見と似ているって。
「いいか?まずは、お前が行って確認して来い。」
「は、はい…。」
「大丈夫ですよ、さん。僕がバレないように、後からついて行きますから(ニコッ)」
「新八さん…」
ふと目をやると、銀さんと神楽ちゃんが、鼻をほじりながら同んなじ顔をしてこちらを見ていた。