第2章 酔い覚まし…【銀時】
ガラガラガラ。
「いらっしゃ……って、あんたかい。」
「おいおい、客に向かってその態度はないんじゃねェの?」
「フンッ。金も払わない奴が、偉そうにぬかすんじゃないよッ。」
あらあら。
またお登勢さんと銀さんのやり取りが始まっちゃった。
本当に仲が良いんだから。
「ふふふ。」
「あァ?おい!!」
「あ、はい!」
「おめェ、今笑っただろ?」
無意識に笑ってしまったのを、まんまと銀さんに見られてしまったみたい。
絡みの対象をお登勢さんから私に代えて、銀さんが近づいてきた。
「ったく。お詫びに付き合え。」
「え?でも、私まだ仕事が…」
「客の相手も立派な仕事じゃねェか。」
チラリとお登勢さんを見ると、『やれやれ…』と溜め息をつきながら煙草に火を付けた。
「銀時ィ。あんまりイジメるんじゃあないよ!」
「心配いらねェよ。俺は可愛い女には優しいから。な、?」
「あはは…」
「まぁ、座れよ。」
トントン。と、銀さんが自分の隣の椅子を叩く。
カウンターで並ぶと、思ったよりも距離が近くて、少しドキドキした。