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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第19章 任務後のうたた寝


「別にいいじゃない」

「……でも」

「むしろ、ちょっと意外だっただけ」

「意外?」

私は顔を上げる。

野薔薇は私を見ながら、少し考えるように言葉を続けた。

「だって、あんたって普段はもっと普通に笑うじゃない」

「そうかな?」

「そうよ。悠仁や私と話してるときもよく笑うけど……」

野薔薇は一度、脹相へ視線を向ける。

「脹相に向けるときは、なんていうか……」

「ふわってする」

悠仁が横から口を挟んだ。

「そう、それ!」

野薔薇が頷く。

「すごく柔らかいのよ」

「……」

私はますます恥ずかしくなって、頬に手を当てた。

「そんなに違う……?」

「違う」

「違うね」

悠仁と野薔薇が、ほとんど同時に答える。

「……」

私は困ったように脹相を見る。

すると脹相は、そんな私を見て穏やかに微笑んだ。

「いつも俺を見る顔だ」

「……っ」

一瞬で顔が熱くなる。

「もう……」

その様子を見ていた悠仁が、にこにこと笑った。

「やっぱり仲良いなぁ」

「ほんとね」

野薔薇も笑う。

そして、少し離れたところにいた恵へ視線を向けた。

「恵はどう思う?」

「……何が」

「この二人」

恵は少しだけ二人を見る。

私と脹相の間に流れる穏やかな空気を見て、ほんの一瞬だけ目を伏せた。

けれど、すぐにいつもの淡々とした表情に戻る。

「……別に」

「またそれ?」

野薔薇が呆れたように言う。

けれど恵は、ほんの少しだけ目を細めた。

「……まあ」

一度言葉を切ってから、静かに続ける。

「幸せそうなら、それでいいだろ」

その言葉を聞いて、私は恵を見る。

「……恵」

「何だよ」

「ありがとう」

「……礼言われるようなこと言ってねぇよ」

そう言いながら、恵は少しだけ顔を逸らした。

昔から変わらない、ぶっきらぼうな言い方。

でも、その言葉の奥にある優しさを、私は知っている。

だから、自然と頬が緩んだ。


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