第19章 任務後のうたた寝
しばらくして、ガラッ。と教室の扉が開く。
「ただいまー!」
悠仁が入ってくる。
その後ろから野薔薇と恵も入ってきた。
「……あれ?」
悠仁が足を止める。
「寝てるじゃん」
「疲れてたのかしら」
野薔薇も声を落とす。
恵は何も言わず、教室の奥を見る。
そこには、脹相の肩に寄りかかって眠ると
それを大事そうに支えている脹相。
三人とも思わず足を止めた。
恵は、ほんの少しだけ眉を寄せた。
が任務で疲れて眠っている。
それ自体は、別に珍しいことじゃない。
昔からそうだった。
(……また無理したのか)
脹相の恋人になったからといって、心配する気持ちまで変わるわけじゃない。
むしろ、昔から知っているからこそ分かる。
あいつは平気な顔をしていても、限界になるまで「大丈夫」と言う癖がある。
恵は小さく息を吐いた。
(昔から変わってねぇな)
けれど、視線を脹相へ移す。
の頭を支える大きな手。
起こさないようにじっとしている姿。
その表情は、恵が今まで見てきた誰よりも穏やかだった。
(……でも)
昔なら、自分が気にかける側だった。
今は違う。
私の隣には、自分よりも近い距離で私を支える人がいる。
その事実に、恵は少しだけ目を伏せた。
(ちゃんと、任せられる奴なんだな)
そう思った。
少し寂しいような。
けれど、それ以上に安心するような。
幼馴染としては、複雑な感情だった。
そんなとき――