第17章 腕枕
夜。二人で布団に入ると
いつものように脹相が自然に腕を伸ばしてくれる。
「こっちへ来い」
その声に甘えて、私はいつものように脹相の腕の中へ身体を寄せる。けれど今日は、ふと思った。
「……ねえ、脹相」
「ん?」
「今日は私が腕枕してあげようか?」
「……」
脹相の動きが止まった。
「……何?」
「腕枕」
「それは分かる」
少し困ったような顔をして、私を見る。
「お前が、俺にするのか?」
「うん」
そう言って、自分の腕を枕代わりに差し出す。
「ほら。おいで」
脹相はしばらく黙っていた。
「……本当に?」
「本当に」
「……俺がここに頭を乗せるのか?」
「そうだよ」
「……」
どうやら相当戸惑っているらしい。
「嫌?」
「嫌なわけがない」
返事だけは早かったけれど、なかなかこちらへ来ない。
「じゃあ、早く」
「……分かった」
観念したように脹相が身体を寄せる。
そして、ゆっくりと私の腕に頭を乗せた。