第14章 膝にかけた上着
任務を終えた放課後。
教室には、夕方の静かな空気が残っていた。
教室の後ろには、椅子が三つ並べて置かれている。
私はそれを使って、横になるようにして眠っていた。
任務でよほど疲れたのだろう。
頬を椅子にぺったりと付け、すっかり眠り込んでいる。
その少し離れたところに、恵がいた。
帰る支度をしながら、何度か私のほうを見る。
「……まだ起きないか」
恵は小さく呟いた。
起こそうかとも思ったが、寝顔を見る限り、かなり疲れている。
「……まあ、いいか」
そのままにしておこうとしたところで、窓から風が入ってきた。
私のスカートが少し揺れる。
恵は一瞬そちらを見ると、ため息をついた。
「……寒いだろ」
自分の上着を脱いで、私の足元へそっと掛ける。
起こさないように、それだけして。
「これならいいだろ」
そして自分の席へ戻る。
帰ってもよかった。
けれど、こんな状態の私を一人残していくのも少し気になった。
幼馴染として、起きるくらいまでは見ておくか。
その程度の気持ちだった。