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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第13章 がっつきすぎ?



「……でもさ」

「?」

「脹相、よく我慢してるわね」

「え?」

「いや、だって」

野薔薇が腕を組む。

「毎日キスしてて、しかもあんたがそんなに嬉しそうにしてるんでしょ?」

「……うん」

「私が脹相の立場だったら、もっといってるわ」

「おい野薔薇」

真希ちゃんが呆れた声を出す。

「何をいってるんだ、お前は」

「何って、我慢の話よ」

「言い方を考えろ」

「だって事実じゃない?」

真希ちゃんは私を見て、それから少し考える。

「……まあ」

「ほら、真希さんも!」

「いや、私が言いたいのはだな」

真希ちゃんがため息をつく。

「それだけ好きな相手が目の前にいて、しかも相手も自分を好きなんだろ?」

「うん」

「だったら、普通はもっと夢中になってもおかしくないってことだ」

「つまり?」

野薔薇がにやっとする。

「食われてもおかしくないってこと」

「野薔薇!」

思わず顔が真っ赤になる。

「な、何言ってるの!?」

「だってそうじゃない」

「だから言い方!」

真希ちゃんが野薔薇の頭を軽く小突く。

「お前、本人をからかいすぎだ」

「ごめんごめん。でも――」

野薔薇が私を見る。

「脹相って、かなり我慢してると思うわよ?」

「……そうかな」

「そうだろ」

真希ちゃんも頷く。

「キスする前に毎回確認して、嫌そうならすぐ止めて、お前の様子見ながら加減してるんだろ?」

「うん」

「それなら、がっついてるっていうより、ちゃんと大事にしてるんだろうな」

「……」

「その上で、キスは沢山する」

野薔薇が肩をすくめる。

「もう答え出てるじゃない」

「何が?」

「めちゃくちゃ好きなのね、あんたのこと」

「……!」

「しかも、あんたが自分とのキスを嬉しいと思ってるのも分かってる」

真希ちゃんが続ける。

「そりゃ、脹相からしたら嬉しいだろうな」

「……」

「むしろ」

野薔薇が笑う。

「よく理性保ってるわ」

「だから言い方!」

「だって!」

「はいはい、そこまで」

真希ちゃんが野薔薇を止める。

「これ以上やったら、こいつ本当に顔から火が出るぞ」

「もう出てるわよ」

「……もう!」

二人が笑い出す。

私も恥ずかしくて俯きながら、つられて笑ってしまった。

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