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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第1章 付き合ったんだよね?


ずっと伝えたくても伝えられなかった言葉を、これからは何度でも伝えられる。

明日も言おう。
明後日も、その次の日も。

何度だって。

「好き」

「俺も好きだ」

「……もう一回言ってもいい?」

「何度でも」

やがて眠る時間になり、私たちは立ち上がった。

それぞれの部屋へ向かおうとしたとき、脹相がふと足を止める。

「……なあ」

「ん?」

脹相は少しだけ迷うように視線を逸らした。

「今日も、一緒に寝ようか?」

思いがけない言葉に、私は目を瞬く。

「……いいの?」

「ああ。昨日だけのつもりだったが……」

脹相は繋いでいた手を、もう一度握り直す。

「お前が嫌でなければ、今日も隣にいたい」

胸の奥が、じんわりと温かくなる。

「……嫌じゃない」

むしろ、嬉しかった。

「私も、今日も一緒に寝たい」

「そうか」

脹相は小さく頷くと、安心したように私の手を引いた。

「なら、行こう」

「うん」

昨日は、夢ではないと確かめるために繋いだ手。
けれど今夜は、それだけではない。

恋人になった二人が、自然に隣で眠りたいと思ったから。

ベッドに入ると、脹相は昨日と同じように私の手を取った。

大きな手に包まれると、胸の奥がゆっくりほどけていく。

「……脹相」

「なんだ?」

「好き」

「ああ。俺も好きだ」

「……明日も、一緒に寝てもいい?」

脹相は少しだけ目を見開き、それから穏やかに頷いた。

「もちろんだ」

その返事に、私は小さく笑った。

「じゃあ、約束ね」

「ああ。約束だ」

繋いだ手の温かさを感じながら、私はゆっくり目を閉じる。

昨日は、夢ではないと確かめた夜。

そして今夜は、恋人として初めて、もう一度隣で眠る夜。

「おやすみ、脹相」

「おやすみ」

好きな人と一緒に眠れることが、こんなに幸せなんだと知った夜だった。
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