第9章 一緒に寝たいけど沢山したくなる
「ふふっ」
「……笑うな」
「ごめん。でも、そんなに?」
「ああ」
脹相は少し目を逸らす。
「最近、お前と近くにいると……何度もしたくなる」
「キス?」
「……そうだ」
耳が少し赤い。
「一度すると、またしたくなる」
「うん」
「だから……同じ布団で隣にいたら、たぶん我慢できない」
「……それって」
私は少しだけ笑う。
「一緒に寝たくないってこと?」
「違う」
脹相がこちらを見る。
「……一緒に寝たい」
その言葉だけは、迷いがなかった。
「ただ、お前が眠れなくなるのは困る」
「じゃあ、キスしすぎたら私が止めるね」
「…………」
「それならいい?」
脹相はしばらく私を見る。
やがて、ふっと表情を緩めた。
「……それなら」
そっと手を差し出してくる。
「一緒に寝よう」
「うん」
その手を取る。
二人でゆっくり立ち上がる。
脹相の部屋へ向かう途中。
ぽつりと呟いた。
「……でも」
「ん?」
「お前からそう言われるのは……嬉しい」
「ふふ」
「……何だ」
「嬉しいんだなって思って」
「……ああ」
少し照れながら。
「かなり」
そう言って、握った手に少しだけ力を込めた。
二人はそのまま、並んで部屋へ向かった。