• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第8章 したいと思ったから



「……じゃあ」

「ん?」

「脹相も、したいときにしてね?」

「…………」

脹相が瞬きをする。

「……俺も?」

「うん」

少し照れながら笑う。

「脹相がキスしたいって思ったとき、してくれていいよ」

「…………」

脹相は何も言わない。

ただ、じっと私を見つめている。

「……嬉しいから」

その言葉に、脹相の目がほんの少しだけ揺れた。

「……嬉しい?」

「うん」

「俺からしても?」

「もちろん」

「……そうか」

小さく呟いて、脹相が俯く。

耳が赤い。

「……それなら」

「うん?」

「……もう少し、遠慮しなくてもいいのかもしれないな」

「ふふっ」

「……笑うな」

「だって、脹相が嬉しそうだから」

「…………」

少し黙ったあと。
脹相がそっと私の頬に触れる。

「……では」

「ん?」

「今、したい」

「……!」

さっきまで照れていたのに。
今度は脹相のほうから、真っ直ぐにこちらを見ている。

「……してもいいか?」

私は小さく頷いた。

「うん」

脹相がゆっくり顔を近づける。

そして――

ちゅ。

今度は頬に。
さっき私がしたのと同じ場所。

唇が離れると、脹相は少し照れながら、私の顔を見る。

「……これも、していいと言ってくれたから」

「うん」

「……嬉しい」

そう言って、今度は少しだけ得意そうに笑う。

その顔が可愛くて。

私は思わず彼の胸元へ顔を埋めた。

「……もう、ほんとに可愛い」

「……また言うのか」

「だって、嬉しそうなんだもん」

「…………」

脹相は困ったようにしながらも、私を抱きしめる。
そして小さな声で。

「……お前が嬉しいなら」

少しだけ腕に力を込める。

「俺も、もっとしたい」

その言葉に今度は二人とも、顔を赤くなった。
二人とも少しだけ照れながら、しばらくその場から動けなかった。

昨日まで「いつしていいんだ」と悩んでいたはずなのに、
彼女が嫌ではないことも自分から伝えていいことも知った。

/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp