第79章 卒業〜帰る家〜
卒業式の帰り道。
今日だけは少し特別だった。
歩く先には私たちの家が見えてくる。
玄関の前まで来たところで、脹相が扉を開けた。
「ただいま~」
私が中へ入る。
――その瞬間。
「卒業おめでとう!」
「おめでとう!」
「お疲れ!」
「卒業おめでとう、!」
「……え?」
リビングから、一斉に声が上がった声に私はその場で立ち止まる。
「……えっ?」
そこにいたのは、五条さん。
恵。そして、悠仁と野薔薇。
「みんな……?」
「おかえり」
恵が手を上げる。
「卒業おめでとう」
「ありがとう……」
「サプラ~イズ!」
悠仁が嬉しそうに笑う。
「卒業パーティーだよ!」
「え、ちょっと待って。どういうこと?」
私は隣の脹相を見る。
すると、脹相が少しだけ気まずそうに視線を逸らした。
「……実は」
五条さんが楽しそうに口を挟む。
「脹相、今日の卒業式の間に僕らと準備してたんだよ」
「え?」
「パーティーの準備するって」
「……脹相が?」
「ああ」
脹相が頷く。
「お前が帰ってくるまでに、準備をしておきたかった。」
胸がいっぱいになる。
「脹相……」
「何だ?」
「ありがとう」
「俺がしたかっただけだ」
そう言いながらも、少し照れている。