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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第79章 卒業〜帰る家〜


「でも、嬉しい」

「そうか」

脹相の表情が柔らかくなる。

「それならよかった」

「はいはい、泣かない泣かない」

五条さんが横から入ってくる。

「……五条さん」

「だってさぁ」

五条さんがニヤニヤする。

「彼女の卒業式の間に、彼氏がせっせとパーティー準備してるんだよ?」

「……」

「めちゃくちゃ彼氏してるじゃん」

「五条」

「はいはい、ごめんごめん」

全然反省していない顔で笑っている。

「でも、本当に卒業おめでとう」

「ありがとう」

「高校卒業したんだから、これからは呪術のほうも頑張ってもらわないとね」

少しだけ真面目な声になる。

「これからは今まで以上に大変なこともあると思う。けど、君なら大丈夫」

「……うん」

「卒業、おめでとう。これからも頑張ってね」

「ありがとう、五条さん」

「よし!」

五条さんが手を叩く。

「じゃあ今日は難しい話はなし!」

「切り替え早っ!」

野薔薇が笑う。

「今日は主役を甘やかす日なんだから」

「そうそう!」

悠仁も頷く。

「ケーキ食べよう!」

「お前、さっきからそればっかりだな」

恵が呆れたように言う。

「だって卒業祝いだぜ?」

「まあ……そうだけど」

みんなの笑い声が広がる。

私はその輪の中に入りながら、もう一度アルバムを見た。

学校でもらった、大切な思い出。

そして。帰ってきた場所には、自分のために準備してくれた人たちがいる。

「……ありがとう」

もう一度、小さく呟く。

「何度も言うな」

隣から脹相が言う。

「でも、嬉しいから」

「……そうか」

テーブルの下で脹相が私の手をそっと握る。

みんながいるから、大っぴらにはできない。

それでも繋いだ手だけは、離さなかった。

高校を卒業した。

今日から、また新しい日々が始まる。

不安もある。

でも帰る場所があって。
待っていてくれる人がいて。
隣には、大切な人がいる。

それだけで、きっと大丈夫だと思えた。
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