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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第77章 卒業〜モヤモヤ〜


昇降口を出ると、やはり校門に見慣れた顔がある。

「終わったか?」

「……うん」

「帰ろう」

「うん」

いつも通り、何も変わらず
脹相が私の鞄を持ってくれる。

「たくさん作っていたものは渡せたのか?」

「うん。…全部、渡し終わったよ」

「そうか」

「……脹相」

「何だ?」

『さっき、女の子と話してたよね』

そう聞こうとして。
やっぱり、言えなかった。

「……ううん。何でもない」

「?」

「帰ろう」

「ああ」

脹相は不思議そうに私を見る。
けれど、それ以上は何も聞かなかった。

二人で並んで歩く。
いつもなら嬉しい帰り道なのに。

今日は、胸の中に小さな棘が残っているみたいだった。

――何を話していたの?
そう聞けばいいだけなのに。

どうしてか、聞けない。

そんな自分が少し嫌になって、私は脹相の隣を歩きながら、そっと彼の手を握った。

脹相が驚いたようにこちらを見る。

それから、何も言わずに握り返してくれた。

その温かさに安心する。

脹相が、あの子に向けていた笑顔が。
それでも頭の片隅には、まだあの光景が残っていた。

その理由を知らないまま。

私は、胸の中の小さなもやもやを誰にも言えずにいた。
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