第76章 卒業〜告白〜
冷たい風に、卒業が近いことを改めて感じる。
学校生活は、もうすぐ終わる。
ここで過ごした時間も。
今日の告白も。
脹相が嫉妬してくれたことも。
きっと、いつか思い出になる。
けれど私が大切にしたい人は、卒業しても変わらない。
「帰ろう」
脹相が言った。
「うん」
名残惜しさを残しながら、私たちは歩き出す。
校門を出ると、夕暮れの空が広がっていた。
繋いだ手が、いつもより温かく感じる。
「脹相」
「何だ?」
「今日のこと、もう心配しないでね」
「ああ」
「私には、脹相がいるから」
「……分かっている」
「本当に?」
脹相は足を止め、私を見る。
「分かっている。だが、何度でも聞きたい」
「じゃあ、何度でも言うよ」
私は笑った。
「私は脹相が好き。これからも、脹相のところに帰るから」
脹相は目を細め、私の手を強く握り返した。
「……俺も、お前が好きだ」
夕暮れの帰り道。
卒業を前にした私は、脹相と何度も互いの気持ちを確かめながら、ゆっくりと家へ向かった。