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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第76章 卒業〜告白〜


「だから、もう告白されることなんて、きっとなくなるよ」

脹相が黙って私を見る。

「私は、脹相を不安にさせるようなことをしたくないの」

「……お前が悪いわけではない」

「うん。分かってる」

私は脹相の目を見つめた。

「でも、脹相が嫌な思いをするのは嫌だから。私が誰かに好かれることより、脹相が安心していられることのほうが大事」

脹相の指が、私の手の甲をゆっくり撫でる。

「……お前は、優しすぎる」

「優しいんじゃなくて、脹相が大切なだけだよ」

その言葉に、脹相の表情が揺れた。
嫉妬で硬くなっていた顔が、少しずつほどけていく。

「……そうか」

「うん」

「だが、学校を卒業しても、お前が誰かに好かれる可能性はなくならない」

「えっ」

「お前は魅力的だからな」

真顔で言われて、今度は私が言葉に詰まる。

「それに、学校の外にも人はいる」

「……脹相、安心させようとしてる?」

「事実を言っているだけだ」

「もう」

思わず頬を膨らませると、脹相は少し困ったように目を伏せた。

「だが……」

「うん」

「お前が俺を選んでくれるなら、それでいい」

脹相は私の頬を両手で包み込む。

「誰に何を言われても、お前が俺のところへ帰ってきてくれるなら、俺は大丈夫だ」

「帰るよ」

「……本当に?」

「本当」

私は脹相の手を握り返した。

「私は、脹相のところに帰る。これからもずっと」

脹相はしばらく黙っていた。
やがて、私を引き寄せる。

「……なら、もう少しだけ近くにいてくれ」

「今も隣にいるよ」

「足りない」

低い声でそう言われて、胸がどきりとした。

脹相は私の肩を抱き寄せる。
人の少ない校舎裏で、触れ合う距離が近くなる。

「脹相……」

「すまない。今は、離したくない」

耳元で囁かれて、心臓が大きく跳ねた。

「……私も、離れたくない」

そう答えると、脹相の腕に力がこもる。

しばらくそのままでいると、夕方の風が吹き込んできた。
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