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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第1章 付き合ったんだよね?


それから一日を過ごした夜。

一緒に暮らしている部屋は、もうすっかり静かになっていた。

お風呂も済ませて、寝る準備も終わっている。

けれど、私はまだ眠る気になれず、リビングのソファに座っていた。

少し離れた場所では、脹相も静かに座っている。

付き合い始めて、まだ一日。

それなのに、こうして同じ部屋で過ごしていることが嬉しくて仕方がない。

ただ、昨日とは違う。

初日は、夢ではないと確かめたくて、隣で手を繋いだまま眠った。

けれど今夜は、付き合う前と同じように、それぞれ一人で眠ることに少しだけ物足りなさを感じてしまう。

私は隣にいる脹相の横顔を眺めながら、朝のことを思い出していた。

夢じゃないと確かめたこと。
脹相に「昨日から、俺はお前の恋人だ」と言ってもらったこと。

思い出すだけで、胸が温かくなる。

けれど同時に、今まで胸の奥にしまっていた気持ちも、次々と溢れてきた。

本当は、ずっと伝えたかった。

一緒に暮らすようになってからも、何度も思っていた。

朝、目を覚ましたときも。
何気ない会話をしているときも。
隣で眠る脹相の横顔を見つめているときも。

何度も「好き」と言いたかった。

けれど、今までの私は、その一言を伝えられずにいた。

恋人になった今なら。

もう、隠さなくてもいい。

「……ねえ、脹相」

「ん?」

脹相がこちらを向く。

少し眠たげだった目が、私を見た途端にゆっくり開く。

「聞きたいことがあるんだけど」

「なんだ」

私は少し迷ってから、ソファの上で彼の服の裾をつまんだ。

「……毎日、脹相に好きって伝えてもいい?」

脹相は瞬きをし、つままれたTシャツの裾へ視線を落とした。

それから私の顔へ戻すと、静かに答えた。

「……ああ。俺も、お前から好きだと言われたい」

「……ほんと?」

「ああ。毎日でも、何度でも聞きたい」

迷いのない返事に、胸の奥が少しほどける。
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