第74章 脹相の不安
「あ、そうだ。私、卒業したあとの進路も決めてるんだよ」
あなたがそう言うと、脹相は顔を上げた。
「……進路か?」
「うん。高校を卒業したら、高専で実践を積みながら、硝子さんのところでサポートや研究にも参加するつもりなの」
「……そうなのか」
「だから大丈夫だって言い切れるの。前もって私の体は色々調べてあって、今の数値は前と変わらない」
「脹相の身体についても、分からないことがたくさんあるでしょう? だから、知識をつけたいんだ」
私は少し考えながら続けた。
「子どもが欲しいと思ったときだって、体外受精みたいな方法が使える可能性もできるかもしれない。もちろん、実際に可能かどうかは調べてみないと分からないけどね」
「……ああ」
「だから、今から全部を心配しなくてもいいんだよ」
私は、彼の前で両腕を広げた。
「何にも心配しないで、私のそばにいて?」
脹相は動かなかった。
ただ、彼女を見つめていた。
どうして、こんなにも自分を受け入れてくれるのだろう。
自分の存在が、彼女の未来を脅かすかもしれないのに。
何も約束できない自分を、どうして信じてくれるのだろう。