• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第74章 脹相の不安




「……もし、子どもができたとして」

私は、もう一度彼に尋ねた。

「その子が普通の人間とは違う姿だったら、って言ったよね?」

脹相は眉を寄せた。

「……それが、怖いんだ」

「私は、二人で支え合っていけば大丈夫だと思ってるよ」

私は彼の手を両手で包んだ。

「私が1人で育てるわけじゃない。私には脹相がいてくれるから、分からないことがあったら、一緒に調べればいい。困ったら、硝子さんにも相談できるでしょう?」

「……ああ」

「私たちだけで、全部を解決しなくたっていいんだよ」

脹相は、じっと私を見つめた。

「……お前は、怖くないのか?」

「怖くないって言ったら嘘になるよ。でも、分からないからって、最初から諦めたくないの」

私は彼の手をきゅっと握った。

「私は、脹相と一緒に考えたい」

少し考えたあと、彼女はふと思い出したように口にした。

「それに、体液のことも……キスして大丈夫だったし、今のところ問題ないんじゃないかな?」

「…………は?」

脹相の顔が一瞬で青ざめた。

「……待て。お前、今、何と言った?」

「え? キスしても何も起きなかったし……」

「そういう問題ではない!」

思わず声を上げ、脹相はすぐに口を閉じた。

「……すまない。怒っているわけではない」

彼は片手で顔を覆った。

「俺は……何も考えずに、お前と……」

「脹相、大丈夫だよ!」

彼女は慌てて彼の手を握る。

「心配なら、ちゃんと調べよう? 硝子さんにも相談できるし」

「……だが、もし何かあったら」

「一人で自分を責めないで」

私は、彼の頬に触れた。

「私は大丈夫だって分かってる。」

脹相は、長く息を吐いた。

「……お前を大切にしたいだけなのに、何が正しいのか分からなくなる」

「じゃあ、一緒に分かっていこう?」

その言葉に、彼は目を伏せた。

「……本当に、お前には敵わない」

今度の声には、ほんの少しだけ安堵が混じっていた。
/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp