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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第73章 バレンタイン


バレンタインの日の放課後。

「……ただいま、脹相!」


校門を出たところで待っていた脹相を見つけ、私は小走りで駆け寄った。

いつもと変わらない、少し気だるげな表情。

私を見つけると、ほんのわずかに目元を緩めてくれるところも、いつも通り。

「ああ。お疲れ」

「待った?」

「いや、今来たところだ」

そう言って私の頭をぽん、と撫でてくれる。

嬉しくなって笑い返した、そのとき
ふと、脹相の手元に目が留まった。

……大きな紙袋。
しかも、中身はひとつではない。

中を覗けば、綺麗に包装された箱や、可愛らしいリボンのついた袋がぎっしりと詰まっている。

「……ねえ、脹相」

「ん?」

「それって……」

思わず口にしたものの、その先がうまく続かない。

脹相は私の視線を追い、手元の紙袋を見下ろした。

「ああ。これか」

特に気にした様子もなく、彼は答える。

「お前を待っている間に渡された」

「……そっか」

たった、それだけ。
それ以上の説明もなければ、照れた様子もない。

脹相にとっては、きっと本当にそれだけのことなのだろう。

分かっている。
分かっているけれど。

朝に私が脹相にあげたものよりも、ラッピングが凝ってある。

「……」

なんだか、胸の奥がもやもやする。

バレンタインだもんね。
脹相、かっこいいし。

背も高いし、顔も綺麗だし、口数は少ないけれど、困っている人がいたら放っておけないし。

あの落ち着いた雰囲気も、たまに見せる優しい表情も。

そりゃあ、モテるだろうなあ。

「どうした?」

「ううん! なんでもない!」

慌てて笑顔を作る。
脹相は少しだけ不思議そうに私を見ていたけれど、それ以上は何も聞かなかった。

代わりに、空いているほうの手を差し出してくれる。

私はその手を握った。
いつもと同じ、温かい手。

指を絡めてくれるのも、私の歩幅に合わせてくれるのも、いつもと同じ。

なのに、今日はどうしてか、その手を握っているだけで、

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