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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第72章 年末年始〜大晦日


―そして
まだ外が薄暗い、元日の朝。
脹相はふと目を覚ました。

「……」

目の前に、彼女の顔がある。
昨夜は自分の方を向いて寝たいと言っていたから、
そのままこちらを向いて眠ったのだろう。

すぐ近くにある寝顔。
長いまつ毛。
少しだけ緩んだ唇。

「……可愛い」

思わず、心の中で呟く。
目元に髪がかかっている。
脹相はそっと手を伸ばし、その髪を指先でよけてやった。

「……」

そのまま、あなたの肩を見ると
布団から少しだけ出ている。

寒くないように掛け直してやろうと、脹相は布団の端を掴んだ。
そして、ゆっくりと引っ張る。

「……?」

妙に重い。
もう一度、少し力を入れて引く。

すると。

「…………」

脹相の動きが止まった。
彼女の背中に、五条がぴったりとくっついている。

しかも、ただ身体を寄せているだけではない。
彼女を背中から抱きしめるように腕を回している。

その手は、あろうことか胸元に置かれていた。

「…………」

脹相の表情から、すっと笑みが消える。

「……おい、五条」

「んー……?」

五条は眠そうに眉を寄せる。

「起きろ」

「……まだ眠い」

「起きろ」

「なに……」

五条が薄く目を開ける。
脹相は低い声で言った。

「何をしている」

「……寒かったんだもん」

「だからって抱きしめるな!」

思わず声が大きくなる。

「……ん?」

布団の中で彼女が小さく身じろぎする。
脹相は慌てて声を抑えた。

「……静かにしろ。起こすだろう」

「声が大きいのは君だよ」

五条は悪びれもせず、まだ彼女を抱きしめたままだ。
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