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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第72章 年末年始〜大晦日



「……脹相?」

「なんだ」

「食べないの?」

「食べている」

「さっきから同じところに箸が止まってるよ」

「……」

脹相は自分の茶碗を見る。

「……考え事をしていただけだ」

「何を?」

「……秘密だ」

「ふふ、なにそれ」

私は笑いながら、脹相の茶碗におかずを少し取り分ける。

「はい。ちゃんと食べて」

「ああ」

脹相はそれを見て、ほんの少しだけ口元を緩めた。

五条が味噌汁を一口飲んで、ふう、と小さく息を吐く。
少しずつ眠気が冷めてきたようで、こちらを見た。

「……そういえば」

「はい?」

五条がこちらを見る。

「昨日はちゃんと眠れたかい?」

「……」

一瞬だけ、箸が止まった。
頭に浮かんだのは、昨夜のこと。

離れた二つの布団を少しずつ近づけて
結局ぴったりくっつけて、最後には、布団の境目で手を繋いだ。

もちろん、そんなことは言わない。

「うん」

私は何でもない顔で答えた。

「ちゃんと眠れたよ」

「そっか」

五条はそれ以上、深く聞かなかった。

「よかった」

そう言って、またご飯を食べ始める。
ほっとして、私も箸を動かす。

けれど隣に座っている脹相の手が、ほんの一瞬だけ止まった。

目が合ってもお互いに何も言わない。
昨夜のことを思い出しているのが、なんとなく分かる。

しばらくして、五条が箸を置いた。
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