第72章 年末年始〜大晦日
翌朝。
まだ外が薄暗いうちに、私は目を覚ました。
隣を見ると脹相はまだ眠っていた。
「……」
私は少しだけ笑って、繋いでいた手をそっと離す。
そして、音を立てないように布団から抜け出した。
布団を畳み、少し脹相の布団と離しておく。
何事もなかったように、そのまま部屋を出たあと、
朝食の準備をするために、台所へ向かった。
しばらくして。
炊き上がったご飯の香りが家の中に広がった頃、物音がしたので、脹相が起きたのだろうと分かった。
「……あ」
そういえばまだ一人起きていない。
五条さんだ。
「脹相」
「……ん」
振り返ると、脹相が眠そうな顔でこちらを見ていた。
「おはよう」
「ああ……おはよう」
「五条さん、起こしてくるね」
「俺も行く」
「いいよ。脹相は先に食べてて」
「しかし……」
「大丈夫。いつものことだから」
「……そうか」
脹相は少しだけ不満そうだったが、素直に座った。