第70章 年末年始〜大掃除
年末の五条家は、朝から慌ただしかった。
私が泊まるのは二日間。
一日目は大掃除をして
二日目は年明けの準備の予定だ。
それだけでもやることは山ほどあるのに――。
五条さんの相手をしているからか、進みが悪い。
脹相は今日はあいにく任務が入っていて、それが終わり次第戻ってくる。
だからその日の午後になっても、五条家の大掃除は終わりが見えないまま続いていた。
「よし……次はこっち」
私は廊下の棚を整理していた。
そのとき
「ねえー」
背後から、聞き慣れた声がする。
「……はい?」
振り返ると、ソファに寝転がっている五条さんがこちらを見ていた。
「暇」
「そうですか」
「構って」
「今、掃除中です」
「知ってる」
「じゃあ、終わるまで待っててください」
「えー」
五条さんが不満そうに唇を尖らせる。
「ねえ、ちょっとだけでいいから」
「五条さん、自分でできることは自分でやってくださいね」
「冷たい」
「冷たくないです」
そんなやり取りをしていると、玄関のほうから物音がした。