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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第69章 年末年始〜年末


「でも、それだけじゃないよ」

「ん?」

五条さんがこちらを見る。

私は脹相の腕にもう一度ぎゅっとくっついた。

「夜は一緒に過ごせるし」

「……」

脹相が固まった。

「何日も離れて過ごすの嫌だから」

「……そうか」

ほんの少しだけ、脹相の頬が緩む。

その表情を見て、私まで嬉しくなる。

すると。

「……ねえ」

五条さんが、ものすごく微妙な顔をして私たちを見る。

「二人とも、同じ部屋で寝るつもり?」

「うん」

「即答なんだ」

「いつも一緒に寝てるから」

「そうだな?」

「そうだけど、ここ五条家だよ?」

「だから?」

「いや……」

五条さんは腕を組み、しばらく考え込んだ。

そして。

「……布団は二つ引くこと」

「え?」

「二つ。絶対」

「……」

「絶対に一つにしないこと」

五条さんの目が妙に真剣だ。

「そして――」

人差し指を立てる。

「変なことはなし!」

「変なことって何?」

「分かってるくせに!」

「えー?」

「とぼけるな!」

私が笑っている横で、脹相は真顔のまま五条さんを見ていた。

「安心しろ」

「何が?」

「お前が心配するようなことはしない」

「……その言い方だと逆に不安なんだけど」

五条さんがため息をつく。

私はそんな二人を見て、また笑った。

「じゃあ、約束ね」

脹相の手を取る。

「布団は二つ」

「分かった」

「変なことなし」

「……ああ」

脹相は素直に頷いた。

けれど。

私の手を握り返すその手だけは、いつもより少し強かった。

「……ただ」

「ん?」

「近くにはいていいんだろう?」

「もちろん」

そう答えると、脹相はほんの少しだけ嬉しそうに目を細めた。

それを見た五条さんが、頭を抱える。

「はいはい。もう好きにして……いや、好きにするな。二人とも」

「どっち?」

「とにかく布団は二つ!」

年末の五条家に、五条さんの叫び声が響いた。

そして私は、脹相と一緒に年を越せることが嬉しくて。

まだ始まってもいない年越しの日々を、少しだけ楽しみにしていた。
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