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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第68章 クリスマス〜夜




「脹相」

「ん?」

「大好き」

「……俺もだ」

そう答えて、脹相は私の髪を撫でる。
私は満足そうに目を閉じた。

「おやすみ」

「ああ。おやすみ」

もう眠りかけた、そのとき。

隣で横になっている脹相をチラリと見ると、ふと思い出した。

 ――そういえば。

クリスマスプレゼントの話をしたとき
私が「何か欲しいものある?」と聞いたら
脹相は真面目な顔で言った。

――お前が欲しい。


「……あ!」

私は突然、顔を上げた。

「どうした?」

「キスしてない!」

「……」

脹相の思考が止まる。

「今日、まだちゃんとしてないよね?」

「……そうだな」

「寝る前にしたい」

あまりにも素直な言葉。

脹相は目を閉じて、心の中で小さく息を吐いた。

――あの言葉を覚えていたのだろうか。

いや、違うかもしれない。

腕の中で甘えられて。

身体を寄せられて。

足まで絡められて。

そのうえ、こんな顔でキスを求められる。

これ以上に幸せなことがあるのだろうか。

「……分かった」

脹相が私の頬に手を添える。

「こっちへ来い」

「うん」

私は素直に顔を近づける。

唇が、そっと重なる。

一瞬だけの、優しいキス。

離れると、私は少し照れながら笑った。

「ふふ……これで満足!」

「そうか」

「うん」

また脹相の胸へ戻る。

「おやすみ、脹相」

「ああ」

私は目を閉じる。

すぐに呼吸がゆっくりになっていく。

脹相は、腕の中の温もりを感じながら私の髪を撫で続ける。

しばらくして、私が眠ったことを確認すると。

「……本当に、敵わないな」

小さく呟く。

彼女には幸せにされてばかりだ。
昨日一緒にいられなかった分まで、今日は自分のそばにいてくれる。
そのことが、何より嬉しかった。

脹相は眠る彼女を抱きしめたまま、静かに目を閉じた。

二人にとって初めてのクリスマスの夜は、そんな温かな体温の中でゆっくりと更けていった。
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