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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第66章 クリスマス〜朝



「バッグ取ってくる!」

そう言って、私は部屋へ戻っていった。

その後ろ姿を、五条さんが目で追う。

廊下の向こうへ私の姿が消えると、五条さんは、ふっと息を吐いた。

「……ごめんね~?」

「何がだ?」

「あの子、昨日から僕が独り占めしちゃって」

そう言いながらも、声はいつもの軽い調子に戻っている。

昨日の夜、私にだけ見せていた寂しげな表情は、もうどこにもない。

「本当は昨日も一緒に過ごしたかったでしょ?」

脹相は、私が戻っていった方を見る。

「……別に。あいつが望んだことなら構わない」

「へえ」

「お前がと過ごしたかったかどうかは知らん」

「僕の気持ちはどうでもいいんだ?」

「ああ」

「うわ、冷たいなぁ」

五条さんは笑う。

脹相は特に気にした様子もない。

「俺は、あいつがどうしたいかを尊重するだけだ」

「なるほどねぇ」

「昨日、あいつはお前のそばにいたかった」

「うん」

「だから、そうした」

「今日は?」

「今日は俺と過ごしたいと言った」

「そっか」

五条さんは、にこにこと笑っている。

「じゃあ、僕のことは?」

「どうでもいい」

「ひどくない?」

「お前がどう思っているかは、俺には関係ない」

「いやいや、僕一応あの子の保護者なんだけど」

「知っている」

「もっとこう……気を遣ってくれてもよくない?」

「必要ないだろう」

「えー」

五条さんがわざとらしく肩を落とす。

昨日の夜、私の前で見せていた弱さなど微塵も感じさせない。
いつもの、掴みどころのない男。

脹相も、それ以上は何も言わなかった。

昨日、彼女自身がここに残ることを選んだ。
それだけで意味として十分だった。

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