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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第65章 クリスマス〜イヴ


「明日、帰るからね」

『ああ』

「おやすみ、脹相」

『おやすみ』

私は少しだけ迷ってから、笑った。

「……大好きだよ」

『……』

返事がない。

「脹相?」

『……俺もだ』

少し遅れて返ってきた声は、いつもより低かった。

「ふふ。じゃあ、おやすみ」

『ああ。おやすみ』

通話が終わる。
私はスマートフォンをベッドの脇に置き、
そのまま布団に入る。

明日は脹相に会える。
そう思うと、自然と頬が緩んだ。

――一方、その頃。

電話を切った脹相は、しばらくスマートフォンを握ったまま動かなかった。

「……」

静かな部屋。

誰もいない。

だからこそ

「……大好き……」

さっきの言葉が、頭の中で何度も繰り返される。

「……」

脹相の顔が、じわじわと赤くなる。

耳まで赤くなったところで、ようやくスマートフォンを伏せた。

「……」

落ち着こうと深呼吸する。

しかし

「……駄目だ」

全く落ち着かない。

ソファに座ったまま、片手で顔を覆う。

「……大好き…か…」

また思い出してしまった。

脹相はそのまま俯いた。

嬉しい、嬉しくて仕方がない。
けれど、それを誰にも見られたくない。

幸い、今は一人だった。

「……明日……」

小さく呟く。

「明日、帰ってくる……」

そう考えただけで、また胸がいっぱいになる。

しばらく脹相は一人、ソファの上で静かに悶えていた。

明日になれば、また会える。
その事実だけを何度も噛みしめながら。
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