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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第65章 クリスマス〜イヴ


「眠れそう?」

「うん……ちょっとだけ」

私は五条さんの隣に座ったまま、そっと手を伸ばす。

髪をゆっくり撫でる。

「……」

五条さんは何も言わない。
ただ、目を閉じたまま私に任せている。

「今日は、ゆっくりしていいよ」

「……うん」

もう一度、髪を撫でる。

「私、ここにいるから」

「……」

五条さんが小さく笑った。

「もさ、早く結婚して幸せになりなよ」

「え?なんで?」

「せっかく相手いるし」

「急ぐことじゃなくない?」

「…僕はさ、君から普通の幸せを奪ったんだよ」

「…」

「いつ命がなくなってもおかしくないこの世界に踏み込ませてしまった」

「だから…少しでも早く」

「五条さん」

私は五条さんの頬に手を乗せる。
そして目が合う五条さんに優しく語りかけた。

「私は結婚しなくても今のままで幸せなんだよ」

「でも」

「そりゃいつかはしたいとは思うけど、そばにいてくれる脹相と何かが変わるわけじゃない」

「新しく幸せが増えていくってわけではなくて、幸せが形を変えて続いていくものなんだよ」

「…」

「普通の幸せって言うけど、今のここにいる私が、私の選んだ幸せそのものなの」

「そこには五条さんだって必要なんだから、結婚すれば幸せって決めつけちゃわないでね」

「ん~、…そっかぁ。……は強いな」

五条さんが少し笑う。

その笑顔は、いつもの明るいものとは少し違った。
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