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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第7章 キスはいつしていいんだ?


翌朝。

「……おはよう、脹相」

「……おはよう」

いつもと同じ朝。

いつもと同じ挨拶。

なのに――

俺は、彼女の顔をまともに見られなかった。
どうしても昨夜のことを思い出してしまう。

「……?」

が不思議そうに首を傾げる。

「どうしたの?」

「いや……なんでもない」

そう答えながら、俺はちらりと彼女を見る。

目が合う。

その瞬間。

――ちゅ。

昨夜の感触が蘇る。

「…………」

慌てて視線を逸らす。

(……まずい)

顔が熱い。

彼女はそんな脹相の様子に気づかず、朝食の準備を始めている。

脹相は黙って手伝いながら、頭の中では別のことを考えていた。

(……いつ、していいんだ?)

昨日は彼女から「キスしてもいい?」と聞いてくれた。

だから自分も安心して応じられた。

だが今日は。

彼女は何も言っていない。

(……こちらからしてもいいのだろうか)

恋人なのだから、してはいけないわけではない。

しかし――

(突然したら驚くだろう)

それに。

(嫌だったら……)

そこまで考えて、脹相は眉を寄せる。

嫌がられるのは嫌だ。

とても。

「脹相?」

「……なんだ?」

「さっきからずっと難しい顔してるよ」

「……そうか?」

「うん」

「……少し考え事をしている」

「何考えてるの?」

「…………」

言えるはずがない。

「……秘密だ」

「ふふ。珍しい」

彼女が笑う。

その笑顔を見て、また胸が騒ぐ。

――したい。

今、したい。

でも、できない。
結局俺は、何度もタイミングを逃した。
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