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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第63章 失恋した友達


「脹相さんって、恋愛経験豊富だったんだぁ!」

「…………」

脹相が固まったが、私も固まる。

「え?」

「だからそんなに余裕があるんだ!」

友達は完全に納得した顔をしている。

「恋愛経験が豊富なら、そりゃ女の扱いにも慣れてるよねぇ」

「……」

脹相の眉がわずかに寄る。

「俺は別に――」

「いやいや、分かりますって!」

「違う」

「え?」

「そういう意味ではない」

脹相は真顔で否定した。

友達はきょとんとする。

「じゃあ、何でそんなに恋人への接し方が上手なんです?」

「……」

脹相が答えに詰まる。

私は思わず笑ってしまう。

「ふふっ……」

「」

「ごめん、ごめん」

「笑っている場合ではない」

「だって……」

私は友達に向き直る。

「脹相は、人付き合い自体はそんなに得意じゃないんだよ」

「え?」

「むしろ、ちょっと不器用」

「そうなの?」

「うん」

私は頷く。

「世間話とか、冗談とか、そういうのはあんまり得意じゃないし」

「……」

脹相が黙って聞いている。

「でも、私のことを大切にするっていうところだけは、すごく真剣なんだと思う」

「……」

脹相が少しだけ目を伏せる。

友達はしばらく脹相を見つめたあと、

「……なるほど」

と呟いた。

「つまり、恋愛経験豊富だから上手いんじゃなくて……」

「うん」

「のことを大切にしたくて、一生懸命考えてるってこと?」

「たぶんね」

「……」

友達が感心したように息を吐く。


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