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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第63章 失恋した友達


「確かに、脹相はそういうところあるね」

「そういうところ、じゃないでしょ!」

 友達が私を見る。

「どうすればこんな好条件揃った人と付き合えるの!?」

「えぇ……」

「恋愛初心者のくせに!」

「ちょっと!」

友達が私の頬を両手でむにっと摘む。

「なんであんたなのよぉ!」

「いたた……!」

「私なんてあんな男に振り回されて終わったのに!」

「だからって私の頬を……!」

「羨ましい!」

頬を摘まれたまま抗議する私を見て、脹相は小さく笑った。

「……ふっ」

「脹相、笑ってないで助けて」

「すまない」

そう言いながらも、どこか微笑ましそうにこちらを見ている。

友達はようやく私の頬を離すと、じっと脹相を見た。

「……脹相さん、本当に完璧だわ」

「そうか?」

「そうですよ」

「そんなことない」

脹相は淡々と答える。

けれど、嬉しいようで耳が少し赤い。

私はそれを見て笑った。

「ね、本当に私にはもったいないくらいいい人だよ~」

「……」

脹相がこちらを見る。

「優しいし、私のことすごく大事にしてくれるし」

「……そうか」

「うん」

私が笑うと、脹相もほんの少しだけ表情を緩めた。

その一方で、

 ――俺も気をつけなければな。

脹相は密かにそう思っていた。

嫉妬することはある。
彼女が誰かと親しそうにしていれば、心がざわつくこともある。

だが、それを理由にの行動を制限したくはない。
彼女が自分の意思で帰ってきてくれること、
それが何より嬉しいからだ。

 ――束縛しなくてよかった。
今、友達の話を聞いていて、改めてそう思う。


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