第61章 ハロウィン〜猫
「……朝から考えていた」
「何を?」
「イタズラのことを」
「え?朝から?」
「お前にされるなら……俺がするより、その方がいいと思っていた」
「……」
私の頬が熱くなる。
「……本当に?」
「ああ」
脹相はまっすぐ私を見る。
「だが、実際にされると……」
「されると?」
「……耐えられない」
そう言って、脹相は再び顔を覆った。
その姿に私は思わず笑ってしまう。
「ふふっ」
「笑うな……」
「だって可愛いんだもん」
「……それもやめろ」
けれど、私の手を握ったまま離さないところを見ると。
どうやら、本当に嫌だったわけではないらしい。
テーブルの上では、二人分のプリンがまだ少し残っているが
脹相の頬には、もうクリームは残っていなかった。
――ハロウィンのイタズラは、
人によっては嬉しい、そう学んだ。