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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第61章 ハロウィン〜猫



「……?」

そのまま脹相へ差し出す。

脹相はスプーンを見て、私を見る。

「……食え、ということか?」

「うん」

「そうか」

素直に口を開ける。

「……ん」

その瞬間、私はスプーンを少しだけ逸らして。

脹相の頬に、ちょん。

「……」

白いホイップが、頬に乗った。

「ふふっ」

私が笑う。

「…………」

脹相は何が起きたのか理解するまで数秒かかった。

「……食べるのではなかったのか?」

「イタズラだよ」

「……これが?」

「うん」

そして、少しだけ口元を緩めた。

「お前のイタズラは、可愛いものだな」

「そうかな?」

「ああ」

脹相はそのまま、頬のクリームを拭おうと手を伸ばす。

けれど

「……それはどうかな」

「?」

私は身を乗り出した。

脹相がクリームを拭おうとしていた手を、そっと掴む。

「……?」

脹相が目を瞬く。

そして私は、そのまま顔を近づけて
頬に残っていたホイップを、ちゅ、と舐め取った。

「…………」

脹相の目が見開かれる。

私は何事もなかったように少し離れた。

「こっちがイタズラかな」

「…………」

「脹相?」

「…………」

返事がない。

ただ、耳まで真っ赤になっている。

「……脹相?」

「……待て」

「うん?」

「今のは……」

脹相は片手で口元を覆った。

「……反則ではないか?」

「え?」

「そんなもの……」

言葉が続かない。

頭の中では、朝から何度も想像していた。

――もし、自分が「イタズラされる側」だったら。

まさか本当に、こんな形で。

「……っ」

脹相は俯いた。

「どうしたの?」

「……どうしたも何もない」

「顔、すごく赤いよ」

「お前のせいだ」

「私?」

「ああ」

脹相はしばらく黙ったあと、観念したように小さく息を吐いた。

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