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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第60章 ハロウィン〜朝の妄想


 ――イタズラなら、俺がするより、彼女からされる方がいい。

「……」

「なんか脹相、顔赤くない?」

五条が面白そうに覗き込んでくる。

「……暑いだけだ」

「今日そんな暑くないけど?」

「…………」

「ねえねえ、もしかして今、何か想像した?」

「していない」

「絶対したじゃん」

五条が楽しそうに笑う。

私はそんな二人を見ながら首を傾げた。

「もう、五条さん。脹相で遊ばないの」

「だって面白いんだもん」

「ほら、脹相も困ってるでしょ?」

「……いや」

脹相がぽつりと呟く。

「困っているわけではない」

「じゃあ何?」

「…………」

答えられるはずがない。

まさか

 ――もしイタズラされるなら、お前からの方がいい。

そんなことを、皆がいる場所で言えるわけがない。

脹相は黙ったまま、朝にもらったお菓子の袋をぎゅっと握った。

その様子を見て、私は安心させるように笑う。

「ほら。脹相は優しいから、私にイタズラなんてしないよ」

「……ああ」

脹相は静かに頷く。

そして心の中で、誰にも聞こえないように呟いた。

 ――俺は、しない。

けれど、もし彼女が俺にしてくれるというのなら
……その時は、拒まないと思う。

「……ハロウィン、か」

小さく呟いた脹相の耳が赤くなっていることに、
私はまだ気づいていなかった。
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