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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第59章 背中の開いたニット




脹相は、腕の中にいる彼女をじっと見つめていた。

――どうして、こんなに魅力的なんだろう。

一緒に暮らすようになって、毎日のように顔を合わせている。

寝起きの顔も知っている。
気の抜けた表情も、何気なく笑うところも知っている。

それなのに。
こうして少し雰囲気の違う服を着ているだけで、また目を奪われてしまう。

髪を高い位置でお団子にしているせいか、いつもより首筋がよく見える。

そして何より――

背中が大きく開いたニット。

白い肌が、惜しげもなく覗いている。

「……何?」

視線に気づいた彼女が振り返る。

「いや……」

脹相は一度目を逸らした。

だが、すぐにまた彼女を見る。

「……お前は、自分がどれだけ魅力的なのか分かっているのか?」

「え?」

「分かっていないんだな」

そう呟きながら、脹相は彼女の背後へ回る。

そして、吸い寄せられるように腕を回した。

ぎゅっと抱きしめる。

「……っ、脹相?」

返事の代わりに、首筋へ顔を埋める。

彼女の香りを吸い込むように、しばらく離れない。

「……似合っている」

低い声が首元に響く。

「すごく似合っている」

「じゃあ、よかった」

そう言って笑う彼女に、脹相は少しだけ眉を寄せた。

「……だから嫌なんだ」

「え?」

「この格好で外には出るな」

思わず振り返る。

「どうして?」

脹相は少し黙った。

そして、開いた背中へ視線を落とす。

「……他の奴に見られるのが嫌だ」

その声には、隠そうとしても隠しきれない嫉妬が滲んでいた。

「お前は、自分がどれだけ目を引くのか分かっていない」

腰に回した腕が、少しだけ強くなる。

「俺は分かっている」

「そんなに気になる?」

「ああ」

即答だった。

「誰かがお前を見ていると思うだけで、落ち着かない」

「脹相って、意外と独占欲強いんだね」

そう言われて、脹相は少し黙る。

やがて、諦めたように小さく息を吐いた。

「……お前に関しては、そうみたいだ」

そして、もう一度彼女を抱き寄せる。

「誰かに綺麗だと思われるのも嫌だ」

「……」

「誰かに欲しいと思われるのも嫌だ」

低い声が耳元へ落ちてくる。

「俺だけが知っていればいいと思ってしまう」

その言葉に、胸が小さく高鳴る。

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