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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第55章 俺は愛されている


胸の奥が、ほんの少しだけざわつく。

自分以外の誰かに向けて笑う彼女。

それを想像しただけなのに、指先に少し力が入った。

「……」

嫌だ。

理由は分かっている。

もっと自分のそばにいてほしい。

自分が一番近くにいたい。

その気持ちに気づくと、脹相は眠っている彼女をそっと抱き寄せた。

「……お前は、俺のそばにいてくれ」

小さな声だった。

命令ではない。

ただの願い。

「……できれば、ずっと」

彼女は眠ったまま、無意識に脹相の胸元へ寄ってくる。

その瞬間、脹相の表情がふっと緩んだ。

「……そうか」

安心したように目を細める。

そして今度は、彼女を逃がさないようにするのではなく――
自分から離れたくならないように、優しく抱きしめる。

「……俺も、ずっとお前のそばにいる」

そう呟いて、脹相は彼女の髪に頬を寄せた。

愛されている。

だからこそ、もっと大切にしたい。

そして、できることなら――

この温もりを、自分だけのものにしていたい。

そんな小さな独占欲を胸の奥に抱えながら、脹相は幸せそうに目を閉じた。
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