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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第55章 俺は愛されている



ふと、脹相は思い出した。
自分が何かを尋ねるたび、彼女はいつも穏やかに答えてくれる。

「これ、してもいいか?」

「いいよ」

「ここにいてもいいか?」

「もちろん」

「もう少し一緒にいても?」

「うん」

――そういえば。

自分は、ほとんど拒否されたことがない。

そのことに気づいてから、脹相は少しだけ試してみたくなった。

「……今日は君の隣にずっといてもいいか?」

「いいよ」

「帰るまで、手を繋いでいても?」

「うん」

「……もっと近くに座っても?」

「もちろん」

少しずつ距離を縮める。

彼女は嫌がるどころか、自然に肩を寄せてくる。

「……」

脹相は胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。

「じゃあ……」

少し迷ってから。

「お前が何もしていないときでも、俺が抱きしめてもいいか?」

「いいよ」

「……」

即答だった。

脹相は彼女を抱き寄せる。

「……本当に?」

「うん」

「嫌じゃないのか?」

「脹相に抱きしめられるの、好きだよ」

「……」

駄目だ。嬉しすぎる。
それでも、もう一つだけ聞いてみたくなる。

「……もう少し、このままでいても?」

「いいよ」

「……」

さらに腕に力を込めるとそのまま胸元に収まる。

脹相はしばらく何も言わなかった。
ただ、彼女の背中をゆっくり撫でる。

何度か撫でても、それでも手を止められない。
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