• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第53章 脹相の声


「脹相の声、好きだなぁ」

以前、何気なくそう言われたことがある。
そのときは、ただ思ったことを口にしただけのように見えた。

けれど――。

「……声が好き、とは」

その言葉が、脹相の頭からなかなか離れなかった。

夜。

一人で本を読んでいる脹相は、何度目か分からないくらい同じページを眺めていた。

「……俺の声が好き」

呟いてみる。
当然、部屋には自分の声しか響かない。

「声そのものが好きなのか。それとも……俺が話していることが好きなのか」

真剣な顔で考える。

「低い声が好きということか?」

少し間を置いて、自分の声を聞いてみる。

「……こういう声か」

よく分からない。
しばらく考えた末、脹相はふと一つの結論に辿り着いた。

「……本人に聞いてみればいい」

そう思った翌日。

二人で並んでソファに座っているときだった。
彼女がスマホを見ている横で、脹相は妙にそわそわしていた。

「……どうしたの?」

「いや」

「さっきからこっち見てるけど」

「……少し確認したいことがある」

「確認?」

脹相は真面目な顔で頷く。

そして、彼女のすぐ隣へ身体を寄せた。
/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp