第50章 3日間の我慢〜3日目
三日間、夢の中で何度も彼女に会った。
頭を撫で、抱きしめてキスもした。
そして目を覚ますたび、彼女はいなかった。
だから今、目の前にいる彼女を見ても――
まだ夢の続きを見ているような気がした。
「脹相?」
私が顔を覗き込む。
その瞬間、脹相の手が伸び、私の腕を掴む。
「……待て」
「え?」
ぐっと引き寄せられ、思わずベッドに手をつく。
「ちょ、脹相――」
言葉が終わる前に、唇が重なった。
「……!」
私は驚いたが、脹相は目を閉じたまま。
まだ寝ぼけている。
けれど、離れる気配がない。
一度離れても、まるで確かめるようにもう一度。
夢の中で何度も逃してきたものを、今度こそ離したくないと言うように。
深くなったかと思えば、そのまま舌が絡んできた。
「ん…」
ピチュっと繋がる音が聞こえ、顔が赤くなるのがわかる。
嫌ではない。
求められているのが伝わってきて嬉しい。
口の中が攻められているように、熱が伝わってくる。
何度か角度を変え、深くさらに深く求められているみたいだった。
「はぁ…ん…」
やがて唇が離れ、脹相はぼんやりと私を見つめた。
「……お前」
「うん」
「……いる」
「いるよ」
「……夢じゃないのか」
「夢じゃないよ」
そう答えると、脹相はしばらく私を見ていた。
そしてようやく、少しずつ意識がはっきりしてくる。