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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第48章 3日間の我慢〜1日目



「……夢を見た」

「夢?」

「ああ」

私は顔を上げる。

「どんな夢?」

脹相は少しだけ迷ってから、私の髪を撫でる。

「お前がいた」

「うん」

「俺は……お前の頭を撫でていた」

「ふふ」

「それから、頬にも触れた」

「今と同じだね」

脹相は少しだけ目を逸らす。
そして、私を抱きしめたまま言った。

「……夢の中でも、こうやってお前を抱きしめた」

「そうなんだ」

「ああ」

腕に少し力がこもる。

「触れられないと思うと……触れたくなった」

私は少し驚いて脹相を見る。

「……そんなに?」

「思っていたより」

脹相は素直に答えた。

「1日くらい、大丈夫だと思っていた。だが……隣にお前がいないと、妙に静かだった」

「脹相、やっぱり寂しかったんじゃん」

「……大丈夫だと言っている」

「強がってる」

「強がっていない」

少しむっとした声。
けれど、その腕は優しい。
私は少し笑ってから、脹相の胸元に顔を寄せた。

「私も夢で脹相に会いたいな」

「……」

「夢の中で、脹相に頭撫でてもらって、抱きしめてもらいたい」

脹相はしばらく黙っていた。
やがて、私の髪をもう一度優しく撫でる。

「……夢でなくてもいい」

「え?」

「今、しているだろう」

そう言って、もう一度ぎゅっと抱きしめる。

「……こっちのほうがいい」

「ふふ」

「笑うな」

「だって、かわいい」

「かわいくない」

そう言いながらも、脹相は私を離さない。

玄関には、出かける準備を終えた私の鞄がある。

もうすぐ家を出なければいけない。

「……そろそろ行かないと」

「分かっている」

「遅れちゃうよ」

「分かっている」

「じゃあ、離して?」

「……あと少し」

「脹相」

「……あと少しだけだ」

私は笑いながら、もう一度だけ脹相の背中に腕を回した。

「うん。もう少しだけね」

三日間。
たった三日間だけ離れて眠る。

それだけなのに。
一日目の朝から、こんなにもお互いが恋しくなっていた。
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