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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第48章 3日間の我慢〜1日目



翌朝、脹相は目を覚ました。

隣には誰もいない。
やはり夢だった。

分かっている。

それでも、昨夜の感触が妙に鮮明に残っていた。

「……夢、か」

そう呟いて起き上がる。

リビングへ向かおうと廊下へ出ると、玄関のほうから物音が聞こえた。

すると、ちょうど出かける準備を終えた彼女が、靴を履こうとしていた。

「あ」

彼女が顔を上げると、その瞳に自分が映ったのを理解する。

「おはよう、脹相」

「……おはよう」

顔を見た瞬間、昨夜の夢が、頭の中に蘇った。
脹相はそばまで歩くと、何も言わずに手を伸ばす。

そしてぽん、と頭に触れた。

「……?」

そのまま、夢の中と同じように優しく髪を撫でる。


「どうしたの?」

「……いや」

そう答えながら、脹相の手は止まらない。
そのまま手が頬へ移り、指先でそっと柔らかな頬を撫でる。

「脹相?」

「……ちゃんといるな」

「いるよ?」

そう答えると、脹相は少し目を細めた。
そして私を抱きしめた。

「わ……」

突然のハグに驚いたけれど、私はすぐに脹相の背中へ腕を回した。トントンとなだめるようにリズムよく背中を叩いてあげる。

「どうしたの?」

「……なんでもない」

抱きしめる腕は、なかなか緩まない。

「脹相」

「なんだ」

「……寂しかった?」

脹相の動きが一瞬止まる。

本当は寂しかった。
昨夜、一人で眠ったことも。
隣に彼女がいなかったことも。
夢の中でまで彼女を探したことも。

けれど――

「大丈夫だ」

脹相はそう答えた。

「本当に?」

「ああ」

「寂しくなかった?」

「……寂しくない」

少しだけ間があって
私は、その強がりに気づいた。

でも、心配をかけたくないのだろうと思って、それ以上は聞かなかった。

しばらくして、脹相が口を開く。

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