第48章 3日間の我慢〜1日目
夢の中には、がいた。
「脹相?」
いつものように名前を呼ぶ彼女を見た瞬間、
脹相は何も言わずに手を伸ばした。
彼女の頭に触れ、ゆっくりと髪を撫でる。
「……どうしたの?」
夢の中の彼女は、不思議そうに脹相を見上げる。
いつもと変わらない俺に向ける可愛い笑顔。
「……いや」
脹相は答えながら、また髪を撫でる。
指先に伝わる感触が、リアルだった。
それから、頬に触れ、そっと撫でる。
「脹相?」
「……触れたかった」
「え?」
「触れられないと思うと……触れたくなった」
そして、私を抱き寄せる。
「わ……」
驚く私を、そのまま腕の中に閉じ込める。
「少しだけ、このままでいたい」
「うん」
彼女が包むように脹相の背中に腕を回す。
「……落ち着く」
脹相はそう呟いて、目を閉じた。
夢だというのに腕の中にいる彼女の温度まで、はっきりと感じる。
「試験が終わったら……戻ってこい」
「もちろん」
そう答える彼女を、脹相はもう一度強く抱きしめた。