第47章 挟まれる
そして翌朝。
「……ん」
お前が目を覚ます。
「おはよう、脹相」
「ああ。おはよう」
「……どうしたの?」
「何がだ」
「なんか眠そう」
「……少しな」
ようやく解放された足を、脹相はそっと伸ばす。
まだ少し痺れている。
だが昨夜のことを思い出すと、不思議と嫌な気持ちはしなかった。
「……?」
お前が不思議そうにこちらを見る。
「何でもない」
そう答える。
言わない。
昨夜、お前に足を挟まれて身動きが取れなくなっていたことも。
そのまま何度も「無心になれ」と自分に言い聞かせていたことも。
それなのに
(……幸せだった)
そう思っていることも。
全部、俺だけが知っていればいい。
そして次の夜、もしまた同じことが起きたら。
(……起こさないだろうな)
脹相はそう思いながら、まだ少し痺れている足をそっと伸ばした。